動物病院開業のチラシの1番の目的は来院(行動)を促すこと
動物病院の開業などでチラシを配布するいちばんの目的は行動を促すことです。
しかし、残念ながら、多くの動物病院開業の場合、開院日・住所・動物病院の外観・営業日くらいの宣伝に終わってしまい、そこで来院に繋がらないケースが非常に多いです。
チラシ配布で大事なのは「1回行ってみよう」「何かあったら行ってみよう」などの行動の後押しをすることです。
チラシで魅力的な動物病院だなと伝えることができたら、次に何か動物病院に行く機会があれば来院につながる可能性もありますし、セカンドオピニオンとしての活用してもらえるかもしれません。
動物病院開業のチラシを見てどのくらいの方が実際に行動に移すのか(反応率)
行動に移してもらうことを反応率といい、チラシ配布では反応率を高めることが重要になります。
反応率を高めるためには、チラシを受け取った飼い主様に行動に移してもらうための導線を意識してチラシ作成をする必要があります。
動物病院のチラシの具体的な反応率は、病院の所在地、ターゲットのペットオーナー層、オファー内容(例:健康診断の割引、トリミングなどの割引サービス、新しい設備の導入告知など)によって大きく異なります。
動物病院のチラシ反応率の目安は0.01%〜0.3%
一般的な案内や新規開院の告知などで魅力がないチラシを作成してしまうと反応率は0.01%に近くなり、魅力的なチラシを作ることで0.3%に近くなります。
0.01%も0.3%も反応率はかなり低いように感じますが、30倍の差が生まれるので、せっかくチラシ配布をするのであれば0.3%の反応率に近づけることを目指すべきです。
魅力がないチラシを作成して配布をして反応率が0.01%だった場合10000枚配布をして行動に移してもらえるのは1人ほどですが、魅力的なチラシを配布して反応率が0.3%だった場合、10000枚配布をすれば30人に行動を移してもらえるかもしれません。
さらに言えば、0.3%はあくまで平均的な話なので、それ以上の反応率を獲得することも不可能ではありません
チラシは作成や配布の仕方によっても成果が出ること反対に想像よりも成果が出ないということも珍しくありません。
配布コストはそれなりにかかってしまうので、反応率を高めることを意識したチラシ作成が重要となります。
チラシの反応率を高めるために、ただデザイナーがおしゃれに作成したチラシだからといって反応率が上がるわけではありません。
デザイン性も大事ですが、それと同じくらいに専門性や優しそうな雰囲気、魅力的オファーや特典などを露出させて、興味関心を持ってもらった後の予約導線などが重要です。
反応率を向上させるためのポイント
- ターゲットを想定した具体的なオファー:まだ動物病院が定まっていないことが多い子犬向けにキャンペーンを打ったり、ワンコイン健康診断や予防接種の案内などでまずは1回は来院してもらうことで動物病院の雰囲気を潜在顧客である飼い主様に知ってもらうことが大事です。
- 内覧会やオンラインセミナーなどのイベントを実施:内覧会などのイベントは動物病院やスタッフの雰囲気を確認してもらいやすく、無料で参加できるので潜在顧客の来院のハードルはかなり低くなります。ただ単に設備やスタッフ紹介だけで終わるのではなく、一緒に犬猫と来院をしてもらい、爪切りや肛門腺などを無料で実施するなどすると、イベントの参加する動機にもなり、感度の高い潜在顧客とコミュニケーションが取れる点もメリットがあります。また、多くの飼い主さんが興味があるような内容のオンラインセミナーなどを開催することで手軽なので大人数の参加を見込めるので来院に繋がる可能性が高くなります。
- タイミング:1ヶ月前に配布をしても多くの人は新しい動物病院の開業日を忘れてしまうので、予定に組み込んでもらいやすい開業日の1週間〜2週間前くらいにチラシ配布を行います。
また、開業日以外のチラシ配布は季節の変わり目や、狂犬病の予防接種が必要な時期に合わせた配布は効果的です。 - 地域密着型の内容:地域のコミュニティやイベントに関連した内容を含めると、親近感が生まれやすくなります。
- 獣医師の顔を掲載する:動物病院の顔でもある獣医師の顔写真が笑顔の写真があるだけでも優しそうな雰囲気を伝えることができます。
大規模な病院ではなく個人が経営する動物病院の場合は、外観の写真よりも獣医師の優しそうな写真だったり、優しそうに診察をしている風景の写真がある方が魅力的に映るはずです。 - 専門性をアピールする:専門性がある場合は専門性をアピールすることで、来院につながる場合もあります。
- QRコードの導入: ウェブサイト、Instagram、オンライン予約ページなどQRコードで簡単にアクセスできる導線を作ります。
- 配布方法の最適化: 配布エリアを選定します。
動物病院のメイン商圏に配布をします。また、ペットショップとの予防接種の提携やトリミングサロンなどにチラシを置いてもらえるかを依頼を検討してみいいでしょう。
たとえば、開院したことだけではなく、新規開院イベントとして内覧会を実施して内覧会参加者にとって参加したくなるような魅力的な特典などを用意することで動物病院まで足を運んでもらいやすくなります。
他にも、動物病院に来院したくなるような健康診断セットが割引クーポンを用意したり、LINE登録をすることでお得なクーポンを配布するなど、LINE登録を促すことで動物病院側から潜在顧客にメッセージを配信することができます。
LINEは個別でのチャットもできるので、顧客目線では不安なことを手軽で聞ける手段でもあり、来院までの動線が縮まりやすくなります。
もちろん、顧客が増えてくると対応などに時間がかかることがあるため、個別対応を受け付けるかは慎重に検討をしなければいけませんが、メリットもかなり大きいものです。
チラシの2番の目的は認知。いずれ来院をしてもらうために認知は大事。
新規顧客の獲得や地域住民への認知度向上においてチラシは非常に影響力を持ちます。
まずは新しく動物病院ができることを認知してもらわなければ来院してもらうことはできません。
認知をしてもらえることで、今は動物病院を変えるきはないけど、いずれかのタイミングで評判が上がってくると、中長期的に動物病院を切り替える判断をする場合もあります。
ネット広告だと特定の層をターゲティングをするので、ネット広告ではリーチできない層にリートすることができます。
とくに50代以降の家庭だとネット広告ではリーチしにくいので、チラシでリーチできる点は非常に魅力的です。
ネット広告よりも素早く告知ができる点もメリットが大きいです。
魅了的な写真をメインに持っていく
チラシは一瞬で伝わるようにするために写真をトップに大きく掲載することがおすすめです。
実際の動物病院の雰囲気や院長や看護師さんの雰囲気を伝える方が、チラシを見た潜在顧客の親近感を抱いてもらいやすくなります。
ただ、チラシに使う写真をオシャレでもフリー素材を使うのはやめた方がいいです。
開業前のチラシは特に写真素材が少ないことから、意外とフリー素材を使用してしまうことが多いですが、写真を妥協してしまうのは本当にもったいないです。
チラシには獣医師や看護師さんなど、実際に働く人の和かな表情で診療している風景の写真がオススメです。
一方、大規模な動物病院の場合は外観が立派なことをアピールすることで、権威性が生まれるので立派な動物病院の外観の写真でも構いません。
大規模な動物病院でも、その時点で在籍している獣医師の写真などは掲載しておくことでの安心感も生まれます。
キャッチコピーの作成
短くて印象的なフレーズでチラシを見た方に素早く動物病院の特色を伝えることができるようなキャッチコピーを作成することで、チラシを見た潜在顧客の方にインパクトを与えることができます。
専門性があるのであれば専門性をキャッチコピーに入れてもいいかもしれませんが、専門性のみだと該当する潜在顧客が少ないため、専門性は獣医師などの紹介に入れてもいいかと思います。
チラシの場合は、より多くの潜在顧客の方に興味を持ってもらえるようなキャッチコピーを考えることがオススメです。
まず大前提として押さえておきたいのは、多くの潜在顧客は今の動物病院を変える理由を持ち合わせていないので、変えるべき理由を言語化することが大切です。
動物病院を変える理由を言語化することで、「確かに今言っている動物病院は治療方針が曖昧かも」と感じてもらえるかもしれません。
たとえば診療は丁寧に行なったり、診療方針をしっかり説明するなど、飼い主が安心して通える動物病院の経営方針を打ち出すことで、現状の治療をしているものの、治療方針が曖昧だからこの新しい動物病院に行ってみようとなるかもしれません。
動物病院開業チラシのキャッチコピーの付け方
顧客の隠れた不満から、逆算して動物病院のコンセプトと合わせたキャッチコピーを考えています。
他の動物病院に行っている潜在顧客の方で、家が近いから通っているけど、中長期的に治療が必要な病気にかかっているものの、治療方針があやふやでどの程度通えばいいのか、今の薬が本当に効果があるのかわからない方や、獣医師や動物看護師が少し犬や猫に対して冷たい印象がある場合などが挙げられます。
ほかにも多く不満要因はあったりしますが、多くの場合は不満を抱きやすいのは上記に挙げたようなことになるかと思います。
そのため、多くの方が不満を抱いている可能性があることに対して、当院では優しい診療で治療方針をしっかりと真摯に説明をするということを取り入れるのがオススメです。
キャッチコピーというと壮大でなければいけないというイメージを持たれるかもしれませんが、潜在顧客に伝われば問題ありません。
動物病院のキャッチコピー例
・優しい診察、丁寧な治療方針を説明いたします。
・飼い主と愛犬の不安を取り除けるような動物病院として
・安心の診察、分かりやすい説明。大切な家族に優しいケアを
・丁寧な診療と親身なサポート、家族同然のケアをお約束
・わかりやすく、優しく。愛犬と飼い主に寄り添う動物病院
・愛犬の健康を守るため、優しさと明確さを大切にしています
文章だけだとキャッチコピーは100%の効果を発揮しにくいのですが、ここで優しそうに獣医師が診療しているような写真があったり、飼い主様に対して真摯に説明をしているような写真があることで、キャッチコピーと写真で説得力が倍増します。
もちろん、キャッチコピーは動物病院の強みを発信することも選択肢としては考えられますが、それが開業の前後に配るチラシであれば、最大限多くの潜在顧客の方に「興味を持ってもらえる」キャッチコピーなのかを考える必要があります。
チラシに載せる必須情報
チラシに必ず記載すべき情報は、病院の名前、住所、電話番号、地図、診療時間、ホームページQRコード、提供するサービス、特典など分かりやすくまとめる方法を紹介します。
デザインとレイアウトのポイント
見やすく、かつプロフェッショナルな印象を与えるためのデザインとレイアウトや色使い、フォント選び、画像の配置、余白の取り方など、視覚的に魅力的なチラシを作成します。
Canvaでも作成はできますが、ココナラやクラウドワークスなどプロに依頼をするのがオススメです。
来院のハードルを下げるオファーや特典など設定
基本的に多くの潜在顧客の方は今通っている動物病院を変える理由を持っていないことがほとんです。そのため、動物病院の告知だけのチラシだけだと来院のハードルは高いままになってしまいます。
チラシを見た人が来院する動機となるオファーや特典の設定することで来院までのハードルを少しずつ下げることができ、多くの人がそのハードルを乗り越えて動物病院を切り替えてくれる確率が上がります。
例えば、内覧会を告知をして、内覧会に訪れた人が楽しめたり、内覧会限定の特典などを設定するのもオススメです。
内覧会はまずは潜在顧客の方に動物病院に実際に訪れてもらい、動物病院や獣医師などの雰囲気を実際に見てもらうことで、より親近感が増し、かなりの高確率で動物病院の来院に繋がるようになります。
そのため、動物病院のオープン前には必ず内覧会などのイベントを実施するのが望ましいです。
内覧会を実施しない場合でも、「初回診察無料」や「予防接種割引」などの特典を効果的にアピールすることが大切です。
チラシ配布エリア
動物病院のメイン商圏に配布をします。
メイン商圏は都市部であれば半径2kmくらいを中心に配布をして、車移動がメインの地域では半径5kmくらいにポスティングをするのがおすすめです。
これ以上の半径にチラシ配布をしても問題はありませんが、反応率が低くなってしまうなど、費用や行動に対しての効果が薄くなってしまう可能性があります。
動物病院開業チラシの配布方法
ポスティング会社に依頼
メリット
ポスティング業者に依頼することで、彼らの専門知識と豊富な経験を活かした効率的なチラシ配布が可能になります。
これにより、動物病院側の時間と労力を大幅に節約でき、ポスティング会社のネットワークを利用することで、短期間で広範囲にわたる配布が実現できます。
さらに、詳細な地域データを持つ業者であれば、ターゲットとなる飼い主が多く住む地域を正確に選定し、効果的な配布が期待できるかもしれません。
このように、専門業者の活用は効率と効果を両立させる有効な選択肢となると思います。
デメリット
時間コストは節約できますが、自分で配るよりも費用面のコストが高くなってたり、中には適切に配布しないポスティング会社もあったりするので業者選びは慎重に行う必要があります。
きちんとした業者を選ばないと、せっかくのチラシが無駄になってしまう可能性があります。安いからというだけで選ばれずに信頼できるポスティング会社を選定することが大切です。
折込チラシで配布
メリット
新聞購読者に確実に情報を届けることができ、比較的コストを抑えながら、広い範囲にわたって配布することが可能です。
デメリット
新聞購読者以外には届かず、他の広告と一緒に配布されるため埋もれてしまう可能性があり、ターゲティングの精度も低いという課題があります。
新聞購読者は年々減少傾向な上、年齢層も高いので動物病院のターゲットからは外れてしまう可能性が高いです。
ご自身で配布
メリット
コストを最小限に抑えられるだけでなく、地域との直接的なつながりを築け、フィードバックを直接得ることができるうえに、配布エリアを細かく調整することも可能です。
デメリット
時間と労力がかかり、広範囲への配布が難しいため、効率が低く、長期的に続けるのが難しいという課題があります。
動物病院開業の前後は忙しいため、やはりご自身で配布するのは非効率になります。
トリミングサロンやペットショップなどに設置をしてもらう
メリット
ターゲットとなる顧客に直接アプローチできるだけでなく、関連業種との協力関係を築くことができ、比較的低コストで実施できるメリットがあります。
デメリット
配布場所が限られるうえ、店舗の許可が必要であり、配布量が店舗の集客数に依存してしまうという制約があります。
イベント配布(ペット関連イベントや地域のお祭りなど)
メリット
興味のある潜在顧客に直接アプローチできるだけでなく、対面で説明が可能で、ブランドの認知度向上にもつながります。
デメリット
イベントの開催頻度に左右されるうえ、準備や人員配置にコストがかかり、天候によっても影響を受けることがあります。
郵便局のタウンプラス(日本郵便のサービス)
メリット
日本郵便のサービスである「タウンプラス」では、郵便局のネットワークを利用して確実に配布でき、地域を細かく指定することが可能です。また、配布結果の報告も受け取れるというメリットがあります。
デメリット
タウンプラスには、比較的高コストである点や、最小ロット数が設定されているため、小規模な配布には不向きという制約があります。また、申込から配布までに時間がかかる場合もあります。
地域の掲示板やコミュニティスペースでの掲示
メリット
地域密着型のアプローチが可能で、長期間にわたって掲示できるうえ、比較的低コストで実施できるというメリットがあります。
デメリット
掲示場所が限られることや、許可が必要な場合がある点に加え、効果測定が難しいという課題があります。
効果測定と改善
配布したチラシの効果をどう測定するかは来院時にチラシを持参した人の数や、特典の利用率などを基に、次回以降のチラシ作成に役立てるようにします。
新規開業時だけではなく、1年に1回など定期的にチラシを配布することで、潜在顧客にリーチすることもできます。
新規オープンの動物病院に来院しようと思う顧客は新しいことを積極的に取り入れることができるイノベータータイプの顧客と、今行っている動物病院に不満がある顧客です。
イノベーターは全体の2%と少ないですが、影響力があるケースも少なくないので、イノベーターが来院をしてくれればいい評判を広げてくれる可能性があります。
チラシのメリット
ネットやSNSだけではリーチできない層に確実にリーチができるため、短期間でメイン証券の潜在顧客に認知をしてもらえる確率はネットよりはるかに高いです。
反響のあるチラシを作成することで、新規オープン時からの集客を加速させることもできます。また、直接的に犬猫を飼っていなかったとしても、地域での口コミは広がるので、ネットとは違う波及効果が見込めるのもチラシ配布のメリットです。
チラシのデメリット
ポスティングは犬猫など潜在顧客以外にも配布する可能性が高いため、ネット広告などでターゲティングするよりも基本的には反応率は低くなる点と、ネット広告と併用していると効果測定が難しくなります。
効果測定をするためには「チラシを見た」と「ホームページを見た」などの特典提供のために切り替えるなどの工夫が必要です。
また、デザインや内容によっても反応率が左右されてしまうため、広告の中では時間もコストもかかる上では難易度は少し高めです。
また、紙を大量に使用するため、環境負荷が懸念される場合があります。持続可能な経営を目指す上で、この点を配慮する必要があります。
動物病院開業時のチラシの役割
マーケティングの動線として以下のような流れがチラシが認知の起点となります。
チラシ(認知)→ホームページ(今行っている動物病院との比較)→内覧会(イベントとコミュニケーションを取る)→定期検診などの特典提供で1回来院してもらう→通常来院
最初からホームページを見てもらうということは開業時の動物病院だと難しいため、その前段階にチラシやネット広告などで新しく動物病院ができることを認知してもらうことが大切です。
もちろん、チラシだけでは動物病院開業時の認知としては足りないので、その他のネット広告などを活用することが必要になります。
動物病院におけるチラシの役割まとめ
物病院開業時にチラシを配布する最大の目的は、受け取った人に行動を促すことです。
しかし、多くのチラシは開院日や住所などの基本情報にとどまり、具体的な行動につなげる設計が不足しがちです。
反応率を高めるためには、ターゲット層に合ったオファーや魅力的なキャッチコピー、適切なタイミングでの配布が重要です。
チラシ配布はただ単に開業の告知だけで終わるのではなく、内覧会やオンラインセミナーや魅力的な特典はもちろん、ホームページやInstagramなどの導線を作ることで、潜在顧客との接点を増やして、少しずつ通常の来院で利用してもらえる動物病院を目指していきます。

